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M様邸マンションリノベーション
期間:2020年1月~2020年7月
場所:埼玉県川越市
用途:共同住宅の住戸
種別:改修
規模:専有面積71.47㎡
玄関・廊下を見る
玄関振り返る-下足箱は天井いっぱいまで高さ確保しています。
下足箱-32足分の棚板を確保しています。
廊下側より玄関を振り返る
トイレ-便器と吊棚は既存のまま。内装をリニューアルしています。
洗面-洗面台、鏡、照明ボックスは既存利用し、シートを上張りしています。
洗面-過大であったキャビネットは撤去し、隣室の収納スペースを拡張しています。洗濯機パンと上部棚を新設しています。
ユニットバス-既存クリーニングのみですが、結構キレイになりました。
廊下収納-押入れサイズの奥行を確保し、中棚、ハンガーパイプと枕棚を2段、配しています。収納力を大幅にアップしました。
廊下収納内部見上げ-上階スラブ下まで最大限に高さ方向を活用しています。
子供部屋入口引戸-摺りガラスでスリットを入れており、室内は覗けませんが在室か否かの確認ができます。
子供部屋-上階スラブ下を見せ、天井高を最大限確保しています。照明はライティングレール、調光対応です。
子供部屋収納-押入サイズの収納と可動棚板を造り付けています。
子供部屋収納
ウォークスルー型収納-中棚、ハンガーパイプ、枕棚を造り付けています。
ウォークスルー型収納背面-押し長押、小物棚を造り付けています。
続き間スペース-3本引戸を引き出すと手前と奥のスペースを仕切ることができます。リビング側の引戸を引き出すと2部屋を一体で使うことができます。
続き間スペースと収納-左奥はウォークスルー型収納、右奥は押入型収納です。
続き間スペースからリビングを見る-引戸を全て開放すると、3面採光の大変明るい空間となります。
リビングより続き間スペースを見る(収納引戸閉鎖時)
リビングより続き間スペースを見る(収納引戸開放時)-引戸を開放すると押入収納をフルオープンにできます。
廊下よりダイニング・キッチン入口を見る
キッチンを見る-ニッチスペースは可動の棚板スペースとしました。小物やクッキング関連の書籍、雑誌などを収容できます。
キッチンー設備上はガスコンロのみ交換して、システムキッチンは既存利用し、腰部分の開き扉のみ、シートを上張りしています。
キッチン壁-LDKスペースを空間化するための一要素としてタイル張りとしています。改修前は天井が高すぎてプロポーションが悪かったため、天井高を2350まで抑えています。幕板部分の横桟は時計掛け等にもなり、壁面を無表情にしないためのアクセントでもあります。
キッチンよりリビング・ダイニングを見る-リビングの上部は矩形に切り取り、上階のスラブ下を見せています。側面にステンレスを張り、面の切り替えによってデザインしています。
キッチン・ダイニングを見る-キッチンタイル壁には突板張りの梁型をぶつけています。ペンダントライトはお客様がお持ちだったもので、相乗効果が生まれるようインテリアデザインを考えました。ペンダントを吊っている濃色の横桟は、ライティングレールを仕込んだ角材です。
リビング・ダイニング・キッチンを見る
続き間側よりLDKを見る-タイル壁、突板の梁型、天井の切り取りにより、立体感のある質感で囲むことでこのスペースを空間化しています。
続き間側よりリビング・ダイニングを見る
リビングより続き間を見通す(3本引戸を全て開放)
リビングより続き間を見る(奥側3本引戸のみ閉じる)
リビングより続き間側を見る(3本引戸を閉じる)
LDK全景(引戸閉じる)
リビング・ダイニング・キッチン・続き間全景-内法で37.3㎡(23.0帖)のスペースが一体になります。
リビング引戸-円形の開口部からは廊下・玄関の様子を覗けます。
トイレドアートイレと洗面の建具は既存利用し、表層材の張替えと、ハンドル等金物を交換しています。
洗面引戸-トイレと洗面の建具は既存利用し、表層材の張替えと、ハンドル、引手等金物を交換しています。
引戸の手掛け-面材部分は少し色のトーンを落としたライトグレーの鏡面と梨地素材を採用しています。手掛け部分に無垢のツガ材を採用しています。
可動テレビスクリーン-引戸を応用し、上下写真のように梁型の下5mくらいの範囲を可動します。テレビの背面内から配線を仕込み、梁型の奥の電源とアンテナ配線に接続しています。
可動テレビスクリーン-引戸を応用し、上下写真のように梁型の下5mくらいの範囲を可動します。テレビの背面内から配線を仕込み、梁型の奥の電源とアンテナ配線に接続しています。
梁型下-可動テレビスクリーンの吊りレール、左側は配線を仕込んでいるスペースです。
改修前
改修前玄関-下足箱は年代を感じさせます。
改修前廊下-手前がトイレドア、奥が奥行の浅い棚板を配した既存収納です。
改修前廊下
改修前トイレ
改修前洗面-水回りのキャビネットは青色の化粧板で統一されていますが、こちらも年代を感じます。
既存ユニットバスー当初は交換を検討していましたが、予算を圧迫するためクリーニングで検討へ。どこまできれいになるか・・・
改修前洗面-正面のキャビネットは天井まで収納力があります。過大なので撤去します。
改修前洋室2-改修後は子供部屋として計画した室です。
改修前洋室2収納-既存収納は少々勿体ないスペースの取り方をしていました。有効利用を考えます。
改修前洋室1-改修後は写真左の壁を解体して続き間の一部となります。
改修前洋室1収納-洋室2と同じく収納スぺースを有効利用するため、ドアと合わせてウォークスルー型の収納として検討した箇所です。
改修前リビング
改修前LDK-必ずしも天井は高ければ良いというものではなく、特にこの正面のキッチン壁のプロポーションはバランスが良くないです。また生活の核となるLDKは豊かな空間でなければなりません。
改修前和室-この奥の壁を含めて続き間とした箇所です。お客様のご希望と一体利用を考慮して畳は早い段階で撤去することになりました。
改修前和室収納-こちらももう少しスペースを有効利用できるはずです。
改修前キッチン-経年劣化が進んでいたガスコンロは交換します。
改修前キッチン造付けキャビネット-やはり青色部分は考える必要があります。
当社初の個人のお客様からご依頼いただいた、マンションリノベのプロジェクトです。
もう一部屋分くらい広い賃貸マンションのお部屋からのお引越しに伴う改修で、広く使えることと、収納を大きくすることから計画が始まりました。
ユニットバス、洗面化粧台、トイレについては既存を残しているため、全体としては3LDK既存間取りの骨格を残しつつ、連続する引戸により続き間状の部屋を仕切ったり開放したりすることで、3人のご家族が自由に広く使うことが可能になるよう、計画しました。
収納についても既存が圧倒的に少なかったため、室内用の可動棚板とウォークスルー型もしくは押入状のクローゼットを各居室ごとに隣接させ、クローゼット内には上階スラブ下ギリギリまで、枕棚を2段配しています。
ウォークスルー型のクローゼットを介して、LDK⇔続き間⇔ウォークスルークローゼット⇔廊下⇔LDKと回遊性のある動線でつながれた計画になっています。
また、このプロジェクトは当社の今後の住宅設計におけるインテリアや同様のリノベーションへのひな型としての位置づけもあり、極力ホンモノ素材の採用につとめました。
建具の手掛け部分や枠材は全てツガの無垢材、収納内や棚板には全てシナかラワンの合板を採用しています。完了からしばらくは木の良い香りがします。
LDKにおいても天井折上げ部分で上階スラブ下の躯体を見せ、ステンレスバイブレーション1.2ミリを側面に張っています。キッチン廻りの磁器質タイルとダイニングの木加工したライティングレール、梁型に突板を張って、空間化しています。
一部の方限定で完成披露会を実施したのですが、多くの方にご興味、ご好評いただいたのがテレビをかけているスクリーンで、引戸状に横にスライドします。テレビやHDレコーダーの配線は引戸の中を通り上に抜けて、梁型の後ろで横に流れている配線に、電源とアンテナ線をつなぎます。これで足元に配線は出てきません。これでダイニングでも、リビングでもテレビを動かしてみることができます。
ここでの写真はほとんどがプロのカメラマンの方に撮影をいただいたもの、数枚は私が撮影したものを載せており、写真でもお伝えできるものは多くありますが、ここに訪れていただいた皆さんに体感いただきたいくらい、体で感じられる空間になったと思います。これからもこの「体で感じられる」ということは大事にしていこうと思います。
コストの中での制約があるのはどんなプロジェクトでもそうですが、本件はお客様の温かいご配慮と、同じマンション内の皆様の温かいご理解、そして施工会社との強力なタッグにより、最高の仕上がりになりました。
ショールームなどじっくりご一緒し、細かに共有しながら進める予定でしたがコロナ禍で叶わず、お任せいただく箇所が多々ありました。その中でもお客様には「今さんに頼んで良かった」と大変気に入っていただき、体で感じる部分まで共有いただけたのは幸甚の至りでした。
設計者冥利につきる、最高のプロジェクトとなりました。
皆様、ありがとうございました。